7畳1Kでも、仕事とくつろぎは分けられる。
在宅ワークが続くと、部屋がそのまま仕事場になりがちです。気づくとローテーブルにノートPC、ベッドの上にも資料。どこに座っても仕事の気配が残る、そんな感覚になることもありますよね。
でも、7畳前後の1Kでは、きっちりゾーン分けするのはなかなか大変です。壁も限られていますし、収納やベッドの位置も簡単には動かせません。
そこでこの記事では、完璧を目指さず、ゆるく分ける方法を紹介します。
- 視界を少しずらす
- 座る高さや向きを変える
- 足元の素材感を切り替える
この3つを軸に、ラグや棚、ローテーブルを使ってゾーニングしていきます。狭いけれどごちゃごちゃしない。そのくらいの落としどころを目指すイメージです。
目安として、7畳は11㎡前後。多くの1Kは長方形で、片側に窓、入口側にキッチン通路があることが多いです。この前提を頭に置きながら、情景が浮かぶように描写していきます。




考え方 仕事スペースとくつろぎスペースは視界と座る位置で切り替える
部屋が狭いほど、家具を足すほど、空間はゆっくり埋まっていきます。7畳前後の1Kだと、ベッドや収納の位置がもう決まっていて、動かせるのはデスクや小物くらい、ということも多いですよね。そこで私は、間仕切りを増やしてきっちり分けるより、座ったときに見える景色を少し変えるほうが現実的だと感じることがありました。たとえばデスクは壁向きにして、くつろぎ側から天板が直視されにくい角度にするだけでも、気配がやわらぐことがあります。完璧ではないけれど、この程度のゆるい差が続けやすい、そんな印象でした。
ポイントは2つです。
視界を変えるという考え方
仕事の道具が視界に入ると、気持ちが仕事側に寄りやすいです。逆に、くつろぎ側に座ったときは、デスク上が見えにくいだけで印象が変わります。
- デスクを壁向きにする
- 棚を斜めに置いて視線を遮る
- 植物やフロアライトで視線の止まりを作る
全部やらなくても大丈夫です。1つだけでも、切り替えやすく感じることがありました。
座る位置と高さを変える工夫
同じ椅子に座ったままだと、頭の中のモードが切り替わりにくいです。そこで座り方を変えます。
- 仕事はデスクチェア
- くつろぎは床座りやソファ座り
高さが変わるだけで、目線の高さも変わります。結果的に、見える景色が変わりやすいです。
[レイアウトパターン1] ラグで足元から分ける 定番だけど試しやすい
このパターンは、7畳前後の1Kでまず試しやすい分け方です。壁や大きな家具を動かさず、ラグ1枚を足すだけで、空間の意味合いが変わりやすいのが特徴です。デスクチェアで作業しているときはフローリング、くつろぐときはラグの上、と足元の感覚が変わるだけでも、今はどちら側にいるのかを意識しやすく感じました。視界の中にラグが入ることで、床の連続性が一度途切れ、部屋の中に緩やかな境界が生まれます。完璧な仕切りではありませんが、この曖昧さが逆に現実的で、生活の流れを止めにくい印象でした。

ラグによるゾーニングは、失敗しても元に戻しやすいのが大きなメリットです。置いてみて合わなければサイズを変える、位置をずらす、といった調整が気軽にできます。最初から正解を狙わず、自分の動き方に合わせて少しずつ寄せていく感覚がちょうど良いと感じることがありました。
レイアウト概要
窓側にデスク、入口側にくつろぎを置く想定です。
- 窓際の壁にデスク
- 幅100から120cm 奥行50から60cm
- デスクの背中側に小さめの棚
- 幅60から80cm 高さ90から120cm
- 入口寄りにラグ
- 140×200cm前後
- ラグの上にローテーブル
- 幅90cm前後
俯瞰で見ると、窓側が仕事、入口側が生活、という流れになります。棚は壁ではなく、視線のやわらかい仕切り。通路の抜け感は残します。
メリット
- ラグが境界になるので、気持ちの切り替えが分かりやすい
- 棚が視界をゆるく遮り、デスクの散らかりが直接見えにくい
- ラグ側は床座りに寄せやすく、座る高さが自然に変わる
特に、足元の感触は分かりやすいサインです。フローリングからラグに乗った瞬間に、今はくつろぎ側かも、と感じやすいことがあります。
気をつけたい点
- 棚を高くしすぎると圧迫感が出やすい
- ラグのサイズが大きすぎると、通路が細くなる
- 床座りが増えると、立ち上がりが少し面倒な日もある
通路幅は60cm確保できると安心です。50cmを切ると、すれ違いがない部屋でも動きづらく感じやすいです。
こんな人に合う
向くかもしれない人
- まずは簡単にゾーニングを体験したい
- くつろぎは床座りでもOK
- 収納は増やしたいけど、部屋は広く見せたい
向かないかもしれない人
- 床に座ると腰がつらい
- ラグの掃除が負担になりやすい
[レイアウトパターン2] 棚を斜めに置いて視線をそらす 余白を活かす配置
このレイアウトは、仕事スペースの存在感を少し薄めたいときに選びやすい方法です。棚を壁と平行に置かず、あえて斜めに振ることで、視線がまっすぐデスクに向かいにくくなります。くつろぎ側に座ったとき、目に入るのは棚の側面や余白で、天板やモニターが視界の中心から外れやすい印象でした。空間を物理的に区切るというより、見る角度をずらして気配を弱めるイメージに近いかもしれません。7畳前後の1Kでも取り入れやすく、置き方次第で圧迫感を抑えられる点が現実的だと感じることがありました。



棚を斜めに置くと、部屋に少しリズムが生まれます。その反面、通路や角の当たり方は実際に座って確認するのがおすすめです。図面上では問題なく見えても、生活すると印象が変わることがあります。まずは軽めのラックで試してみると、失敗しにくいと感じることがありました。
レイアウト概要
部屋の角にデスクを寄せ、棚を斜めに置くパターンです。
- 窓側の角にデスク
- 幅90から110cm
- デスクの正面
- 壁、右か左に窓が入る配置
- デスクの背中側
- オープンラックを斜め置き
- 斜め置きのラックの向こう側
- くつろぎ席
- くつろぎ席
- 座椅子か小さめソファ、ローテーブルは小ぶり
斜めに置いたラックが、視界の方向を変える役になります。まっすぐの仕切りより、ゆるい感じが残ります。
メリット
- くつろぎ側からデスク天板が見えにくい
- ラックの裏側に配線を逃がしやすい
- 斜めのラインで部屋に奥行きが出たように感じることがある
仕事道具感を残したい人は、ラックの一段だけブルー系のボックスを入れるのも相性が良いです。30〜40代でもうるさくない落ち着きが出やすい印象でした。
気をつけたい点
- 斜め置きは通路の形が変わるので、動線を先に確認する
- ラックの角が出っ張ると、膝をぶつけやすい
- 地震対策の固定が必要になりやすい
斜め置きは楽しい反面、部屋の角が鋭角になります。角にクッションを貼るだけでも、生活感は少し減らせます。
こんな人に合う
向くかもしれない人
- 仕事の景色を隠したい気持ちが強い
- ラックに本やガジェットをまとめたい
- レイアウトをちょっと工夫したい
向かないかもしれない人
- 通路がもともと狭い
- 物を減らすほうが先に必要
[レイアウトパターン3] ローテーブル中心で座る向きを変える 切り替えやすい配置
このパターンは、部屋を大きく分けられないときの現実的な選択肢です。デスクとローテーブルをあえて近い距離に置きつつ、座る向きと姿勢だけで役割を切り替えます。仕事中はデスクに正対し、くつろぐときは体を90度ほどずらしてローテーブルへ向かう。その小さな動きだけでも、視界に入る背景や目線の高さが変わり、気分が切り替わりやすく感じました。完全に仕事を遮断する配置ではありませんが、行き来しやすい分、生活の流れを止めにくいのが特徴です。副業や在宅ワークで細切れに作業する人には、この曖昧さがちょうどいい場合もあります。



この配置は、仕事とくつろぎを行ったり来たりする人ほど相性が良い印象でした。その一方で、ローテーブルが仕事の延長になりやすい面もあります。置く物をあらかじめ決めておくなど、小さなルール作りがあるとバランスを保ちやすいと感じることがありました。
レイアウト概要
デスクとローテーブルを同じ視界に入れつつ、座る向きだけ変えるイメージです。
- 壁沿いにデスク
- 幅100から140cm
- デスクの横
- ローテーブルを置く
- 仕事中
- チェアでデスクへ正面
- くつろぎ
- 床に座ってローテーブルへ横向き
- 背中側
- 薄い収納や姿見を置いて視界の背景を変える
部屋の中に大きな仕切りを作らないぶん、圧迫感が出にくいです。代わりに、座る向きで切り替えます。
メリット
- 家具を増やしにくいので、狭い部屋でも成立しやすい
- 片付けの導線が短く、生活感を整えやすい
- くつろぎ側でもPC作業に戻りやすい
完全に切るのではなく、ゆるく往復できる感じです。副業ブロガーの人だと、この曖昧さがちょうど良い日もあります。
気をつけたい点
- くつろぎ側にPCを持ち込みすぎると、結局ワークゾーンが広がる
- ローテーブル周りが散らかりやすい
- 床座り時間が長いと、姿勢が崩れやすい
対策としては、ローテーブルに置く物を決めておくのが効きました。
- 飲み物
- リモコン
- その日の本かノート1冊
これだけに絞ると、くつろぎ側が仕事の延長になりにくいです。
こんな人に合う
向くかもしれない人
- 仕事とくつろぎを行き来する日が多い
- 家具を増やしたくない
- 部屋を広く見せたい
向かないかもしれない人
- 仕事道具を視界から消したい
- 床座りが苦手
小ワザ 背景を整えて切り替えやすくする
レイアウトが決まっても、日常はどうしても散らかります。仕事が立て込んだ日や、疲れて早く休みたい夜ほど、物は元の場所に戻りにくいものです。そんなとき、きっちり仕切ったゾーニングだと、少し崩れただけで一気に気になってしまうことがあります。そこで私は、物理的な仕切りを増やすより、座ったときに目に入る背景の印象を揃えるほうが、結果的に続きやすいと感じることがありました。壁の色味や、視界に入る物のテイストを寄せておくだけでも、部屋全体が落ち着いた印象になります。完璧に整っていなくても、なんとなくまとまって見える。そのくらいの余白があるほうが、日常では扱いやすいように思います。



背景を整える考え方は、忙しい時期ほど効果を感じやすいです。多少散らかっても破綻しにくいので、片付けに追われる感覚が減りました。まずは色味や素材感を揃えるところから始めると、無理なく取り入れやすい印象でした。
光の方向を変える
- デスク側は白っぽいデスクライト
- くつろぎ側は間接光のフロアライト
光が違うと、同じ部屋でも別の場所っぽく感じることがあります。強い断定はできませんが、私は切り替えやすく感じました。
視界のゴールを作る
くつろぎ側に座ったとき、視線の先に落ち着く物があると、仕事の机を見なくて済みます。
- 小さなアート
- 布ポスター
- 植物
色はブルー系やグレー系だと、仕事道具感のある落ち着きが作りやすい印象でした。
収納は見える面を整える
棚は便利ですが、見える面が散らかると逆効果になりやすいです。そこでルールを決めます。
- 見える段は箱で揃える
- 見せたい物は1段だけ
- それ以外は扉付きや布で隠す
狭いけどごちゃごちゃしてない、が作りやすくなります。
こんな人に合う
向くかもしれない人
- レイアウトを大きく変えるのは難しい
- 仕事とくつろぎを完全に分けなくても問題ない
- 忙しい時期でも部屋の印象を保ちたい
背景を整える方法は、生活の揺れ幅を受け止めてくれる印象があります。多少片付けが追いつかない日があっても、気持ちが引っ張られにくい人には向いています。
向かないかもしれない人
- 物理的にきっちり区切られていないと落ち着かない
- 視界に物が少しでも入ると集中しづらい
- レイアウト変更で気分を切り替えたい
この場合は、小ワザよりも家具配置そのものを見直したほうが、納得感が高いこともあります。
まとめ きっちり分けすぎないほうが続きやすい
7畳前後の1Kは、全部を完璧に分けるには少し狭いです。でも、視界と座る位置をずらすだけなら、意外とできる余地があります。
- ラグで足元を切り替える
- 棚を斜めに置いて視線をそらす
- ローテーブル中心で座る向きを変える
私の場合は、このくらいの分け方がちょうど良かったです。生活感は残るけど、仕事の気配が少しだけ薄まる。そんな落としどころ。
もし今日、部屋の中で椅子の向きだけでも変えられそうなら、それが最初の一歩かもしれません。小さな違いが、案外長く効いてくれます。

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