【6〜8畳対応】間取り図から逆算するデスクの最適位置の見つけ方

どこに机置く?を間取り図で解決

引っ越し前に間取り図を眺めていると、最初につまずきやすいのがデスクの置き場所です。ベッドも置きたい。収納もきちんと使いたい。できれば通路は窮屈にしたくない。そう考えていくと、どこから手を付ければいいのか分からなくなることも少なくありません。ただ、間取り図はあくまで線の集合なので、そのまま見ているだけでは実際の生活動線や家具の存在感までは浮かびにくいものです。

この記事では、窓、コンセント、クローゼット、ドアという動かせない要素を起点に、デスク位置を逆算して絞り込む考え方を整理します。見た目の良さよりも、毎日の出入りや使い勝手が成立するかどうかを軸に考えることで、現実的な配置が見えてきます。

目指すのは、完璧に整ったおしゃれ部屋ではなく、狭いけれどごちゃごちゃしていない落としどころです。間取り図を俯瞰で眺めながら、家具と人の動きを頭の中で重ねるような感覚で読み進めてみてください。

目次

まずは前提となる尺度感をそろえる|6〜8畳を想定して考える

間取り図の線を、暮らしのサイズに変換してから考えると迷いが減ります。間取り図は一見するとシンプルですが、そのまま眺めているだけでは、実際に家具を置いたときの窮屈さや動きにくさまでは見えてきません。そこで重要になるのが、デスクや椅子、通路といった日常的に使うものの寸法を、図面の中に重ねて想像することです。幅や奥行を具体的な数字として当てはめるだけで、置けそうに見えた場所が急に厳しく感じたり、逆に意外と余裕があることに気づいたりします。最初にこの変換をしておくことで、後から配置をやり直す手間を減らし、現実的な候補だけに集中しやすくなります。

  • 間取り図は線ではなく実寸の空間として見る
  • デスクと椅子と通路のサイズを先に当てはめる
  • 置けるかどうかより使い続けられるかを意識する
  • この段階で無理な配置を候補から外す

よく使う寸法の目安

項目目安寸法補足
デスク幅90〜120cm6〜8畳では取り回ししやすいサイズ感
デスク奥行45〜60cmノートPCから外部モニターまで対応しやすい
椅子を引くための奥行80〜90cm立ち座りが楽で通路と干渉しにくい
通路幅最低60cm できれば70cmすれ違いや掃除の動線が成立しやすい
クローゼット前の作業域60cm以上扉前での出し入れがスムーズ
室内ドアの開閉域扉前は空ける開閉時に家具が当たらないようにする

目安なので、体格や家具で変わります。ただ、この数字を頭に入れるだけで、間取り図の線が急に現実味を帯びます。

間取り図で最初にメモする4点

間取り図に、次の4点だけでも書き込みます。

  • 窓の位置と開き方向
  • コンセントの位置と数
  • クローゼット扉の位置と開き方 引き戸か開き戸か
  • 玄関からのドアの位置と開き方

この4点は、デスクの候補を一気に削ってくれる起点です。


ステップで絞る考え方|まずは置けない場所を消す

ここからはチェックリスト形式で進めます。間取り図を前にすると、つい良さそうな配置をいくつも思い浮かべてしまいがちですが、狭い部屋ではこの考え方が逆に迷いを増やします。最初の段階では、置けそうかどうかを考えるよりも、明らかに無理な場所を消していくほうが効率的です。ドアの開閉や通路の幅、収納の前の余白など、生活の中で毎日必ず使う動線を基準にすると、自然と選択肢は絞られていきます。候補を減らすことは妥協ではなく、後悔しにくい配置に近づくための準備と考えると気持ちも楽になります。

間取り図を見ながらこの工程を飛ばしたくなる気持ちはよく分かりますが、ここを丁寧にやるほど後の配置決めが驚くほどスムーズになります。狭部屋では、置けるかより使い続けられるかを先に確認するのが結果的に近道だと感じています。

STEP
ドアの動線でNGゾーンを塗る
  • 室内ドアを開いたとき、扉が当たる範囲にデスクが入らない
  • 玄関から部屋の奥へ向かう通路が60cm未満にならない
  • 冷蔵庫や洗濯機など、生活動線が集中する通路を横切らない

描写のコツ
ドアは線ではなく、扇形の動きとして想像します。扉が開く弧の内側は、基本的に置かないほうが無難です。ここを避けるだけで、候補が半分くらいに減ることもあります。

STEP
クローゼットの前を空ける
  • クローゼット扉の前に60cm以上の空間を残せる
  • 扉が開き戸なら、開いた扉が椅子に当たらない
  • 引き戸なら、手前に物があっても引けるが、引きしろは確保できる

生活感
クローゼット前が詰まると、服を出すたびに椅子をずらすことになります。1度なら問題なく感じても、毎日となると地味に負担になります。狭い部屋ほど、この小さな面倒が積み上がります。

STEP
窓の扱いで置き方を決める
  • 窓の前を完全に塞がない
  • カーテンを引く動作を邪魔しない
  • 換気や窓の開閉が無理なくできる

現実的な落としどころ
窓前をゼロにするのが理想でも、6〜8畳では難しいこともあります。その場合は、窓面に対してデスクを直角に置くか、窓から10から20cmだけ離して置くなど、逃げ道を作るのが現実的です。

STEP
コンセントで最終候補を残す
  • 延長コード前提でも、コードが通路を横切らない
  • 充電したい位置とコンセントが一致する
  • 可能なら壁沿いで配線できる

ここで残った候補が、あなたの部屋で現実的に使える配置です。次は、その候補をパターンとして具体化していきます。


レイアウトパターン1|窓に対して直角の片袖デスク配置

窓の横の壁にデスクを寄せ、窓に対して直角になる向きで置くパターンです。椅子に座ると、視界の端に窓が入るくらいの距離感になります。間取り図で見るとシンプルですが、実際に置いてみると通路と作業スペースのバランスが取りやすく、6〜8畳では定番になりやすい配置です。窓前を完全に塞がないため、換気やカーテン操作も成立しやすく、生活の流れを大きく崩しにくいのが特徴です。デスクを壁に寄せることで配線も自然と壁沿いにまとめやすく、見た目が散らかりにくい点も現実的なメリットと言えます。

この配置は、間取り図上で余白が一番イメージしやすく、失敗しにくい印象があります。実際に試すと、作業中も部屋全体を把握しやすく、置いてから微調整もしやすいパターンです。最初の1案として検討する価値は高いと感じています。

デスクのサイズ感の目安
  • 幅 100から120cm
  • 奥行 50から60cm

メリット

  • 窓前を完全に塞ぎにくい
  • 壁沿いに配線をまとめやすい
  • ベッドとの距離を取りやすく、ゾーニングが作りやすい

気をつけたい点

  • 窓の開き方によっては肘やモニターが当たる
  • カーテンの掃き寄せがデスク端に溜まりやすい
  • 冬の結露や夏の熱気で、窓側の小物が落ち着かないことがある

こんな人に合う

向く人
  • 1Kで部屋の中央を通路として残したい人
  • ベッドとデスクの間にほどよい距離を作りたい人
  • 配線を壁に沿わせて、狭いけどごちゃごちゃしてない雰囲気に寄せたい人
向かない人
  • 窓が大きく、開閉頻度が高い人
  • デスク幅140cm級を置きたい人

レイアウトパターン2|壁面ぴったりで入口側を仕事ゾーンにする

玄関から入ってすぐの壁面にデスクを寄せ、部屋の奥をベッド側にするパターンです。部屋を縦に分けるイメージになり、玄関側を仕事ゾーン、奥を生活ゾーンとして使い分けやすくなります。間取り図で見ると、玄関付近はやや使いにくそうに感じることもありますが、実際にはコンセントが集まりやすく、配線を短くまとめやすい位置でもあります。帰宅してすぐバッグを置き、そのままデスクに向かえる動線が成立すると、作業の準備に余計な動きが入りにくい点も特徴です。一方で、玄関まわりの生活感が視界に入りやすいため、収納や壁面の使い方で印象が変わりやすい配置でもあります。

この配置は、間取り図上では敬遠されがちですが、実際に試すと意外と収まりが良いケースも多い印象です。玄関側を仕事ゾーンとして割り切れる人にとっては、動線がシンプルになり、部屋全体の使い方を整理しやすく感じました。

デスクのサイズ感の目安
  • 幅 90から110cm
  • 奥行 45から55cm

メリット

  • 玄関側の壁はコンセントが集まっていることが多く、配線が短く済む
  • ベッド側と作業側が自然に分かれ、見た目のまとまりが出やすい
  • 奥の窓側を生活側として使いやすい

気をつけたい点

  • 玄関の気配が近いので、靴や荷物の仮置きとぶつかりやすい
  • ドアの開閉域と通路幅の確認が必須
  • 玄関からの視線が一直線になる間取りだと、生活感が出やすい

こんな人に合う

向く人
  • 仕事道具感のあるブルー系でまとめたいなど、壁面を整えて見せたい人
  • 1DKでダイニング側に仕事を寄せたい人
  • 短い配線でスッキリさせたい人
向かない人
  • 玄関近くに収納が少なく、荷物が溜まりやすい人
  • 玄関ドアの前に余白がない間取り

レイアウトパターン3|クローゼット横に寄せて収納運用を優先する

クローゼットの脇の壁にデスクを置くパターンです。収納の近さを活かし、仕事道具や書類、ガジェットの一部をクローゼット側に逃がす前提で運用します。間取り図上では控えめな配置に見えますが、実際に使ってみると机上に物を溜め込みにくく、結果的に作業スペースを安定して保ちやすいのが特徴です。部屋の中央を通路として確保しやすく、ベッドや窓との距離も取りやすいため、6〜8畳の限られた空間でも全体のバランスが崩れにくい配置と言えます。一方で、クローゼット前の余白を削りすぎると不便さが一気に表に出るため、寸法の見極めが重要になります。

この配置は、収納をどう使うかがはっきり決まっている人ほど相性が良い印象です。机の上を軽く保ちたい人にとっては、結果的に部屋全体も落ち着いて見えやすく、現実的な選択肢になりやすいと感じています。

デスクのサイズ感の目安
  • 幅 100cm前後
  • 奥行 50cm前後

メリット

  • 書類やガジェットを収納に逃がしやすい
  • 机上の物量を増やしにくい
  • 部屋の中央を通路として残しやすい

気をつけたい点

  • クローゼット前の60cmを守れないと一気に不便になる
  • 開き戸の場合、扉と椅子が干渉しやすい
  • 収納に入れすぎると、必要なときに取り出す動作が増える

こんな人に合う

向く人
  • 物を出しっぱなしにしたくない人
  • 副業の機材が増えがちで、机上を軽くしたい人
  • 夜にクローゼットを開ける頻度が低い人
向かない人
  • 服の出し入れが1日に何度もある人
  • クローゼット前が通路になりがちな間取り

レイアウトパターン4|窓下に奥行浅めデスクを置く

窓の下に奥行の浅いデスクを置き、壁と一体化させるパターンです。奥行を抑えたデスクを選ぶことで、部屋の中央に余白を残しやすく、6畳前後の間取りでは特に効果が分かりやすい配置です。間取り図上でも壁面に沿って一直線に収まるため、他の家具との干渉を想像しやすく、レイアウト検討の初期段階で候補に残りやすいのが特徴です。実際に使うと、椅子を大きく引かずに立ち座りできるため、通路幅を削りにくく、生活動線を保ちやすい一方、机上の奥行には工夫が求められます。うまく決まると、作業スペースが壁に溶け込み、見た目はかなりスッキリします。

この配置は、図面上では理想的に見える反面、デスク選びで印象が大きく変わります。奥行を欲張らず、用途を割り切れる人ほど、狭い部屋でも取り入れやすいパターンだと感じています。

デスクのサイズ感の目安
  • 幅 80から110cm
  • 奥行 35から45cm

メリット

  • 部屋の中央の余白が増える
  • 椅子を引く量が少なく、通路を確保しやすい
  • 壁面としてまとまり、生活感を隠しやすい

気をつけたい点

  • 窓の開閉とカーテンの扱いが難しい
  • 机上の奥行が足りず、モニター台やアームを工夫する必要がある
  • 結露や日差しで窓周りの小物が落ち着きにくい

こんな人に合う

向く人
  • ノートPC中心で奥行をあまり使わない人
  • 6畳寄りで、とにかく通路を残したい人
  • 見た目の整いを優先したいが、無理はしたくない人
向かない人
  • フルサイズのキーボードとマウスを広く使いたい人
  • 外部モニターを複数置きたい人

レイアウトパターン5|ベッド横の細長ゾーンに寄せる

ベッドを壁に寄せ、余った細長いゾーンにデスクを差し込むパターンです。間取り図だと一見きれいに収まって見えますが、実際の生活では通路幅と椅子の動きがポイントになります。ベッドとデスクが同じ壁面に並ぶため、反対側に余白を作りやすい一方、椅子を引いたときに通路が一気に狭くなりやすい配置でもあります。間取り図を見ながら、デスク後ろに60cm以上の通路が確保できるか、椅子を引いた状態で人が通れるかを具体的に想像することが重要です。配置としては成立しても、日々の立ち座りやベッドメイキングでストレスが出やすいため、寸法の見極めが使い勝手を大きく左右します。

この配置は、図面上の収まりだけで判断すると失敗しやすい印象があります。通路幅を紙の上で厳しめに見積もり、少し余裕があるくらいでちょうど良いと感じました。短時間作業向けの割り切り配置として考えると、現実的な選択肢になりやすいです。

デスクのサイズ感の目安
  • 幅 90から100cm
  • 奥行 45から55cm

メリット

  • ベッドとデスクが同じ壁面に乗るので、反対側が空きやすい
  • 窓や収納を避けやすい間取りもある
  • 配置が決まると迷いが減る

気をつけたい点

  • 通路幅が60cmを割りやすい
  • 椅子を引くたびにベッドに当たるとストレスが増える
  • ベッドメイキングの動線が詰まりやすい

こんな人に合う

向く人
  • ベッドの位置を優先して決めたい人
  • デスク作業が短時間で、椅子の出し入れ回数が少ない人
向かない人
  • 仕事道具が多く、椅子を頻繁に動かす人
  • 体格が大きめで通路に余裕が欲しい人

迷ったときの決め手|デスク位置の優先順位の作り方

候補が2つ残ったあたりで、どちらにするか迷いがちになります。間取り図上ではどちらも成立しているように見え、決定的な差が見えにくい段階です。このとき感覚や好みだけで決めてしまうと、使い始めてから小さな不便が積み重なることがあります。そこでおすすめなのが、生活動線や家具の使い勝手といった現実的な視点から、あらかじめ優先順位を決めておく方法です。通路幅や扉の開閉といった後から変えにくい要素を上位に置くことで、迷いを整理しやすくなります。どちらが正解かを探すのではなく、どちらの不便を許容できるかを考えると、判断がぐっと楽になります。

ここまで絞れている時点で、大きな失敗の可能性はかなり低くなっています。最後は完璧を目指すよりも、日常で引っかかりやすい動線を基準に選ぶほうが、結果的に納得感が残りやすいと感じています。

優先順位のおすすめ

  1. 通路幅を守れるか
  2. クローゼットとドアの開閉が成立するか
  3. コンセントが無理なく届くか
  4. 窓の開閉とカーテン操作ができるか
  5. デスクの向きが作業に合うか

通路幅を削ると、部屋は置けた気になるのに、暮らしが窮屈になります。
逆に通路が守れる配置は、多少見た目が地味でも長続きしやすい印象があります。


まとめ|間取り図から現実的なデスク位置を見つけるために

間取り図でデスク位置を決めるときは、センスより順番が効きます。見た目の好みや理想の配置を先に考えてしまうと、実際に暮らし始めてから通路が狭い、収納が使いにくいといった違和感が出やすくなります。まずはドアと通路で置けない場所を削り、次にクローゼットの前を確保し、窓の扱いで逃げ道を作り、最後にコンセントで現実に落とす。この順番で考えることで、配置の良し悪しを感覚ではなく条件で判断できるようになります。この流れで絞り込めば、6〜8畳の限られた空間でも、無理なく使い続けられるデスク位置に近づきます。

次に部屋を選ぶときは、まず間取り図に窓、コンセント、クローゼット、ドアの4点を書き込んでみてください。線だけだった図面が、少しずつ生活の風景に変わり、現実的な候補が静かに浮かび上がってきます。

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